ここ数年は趣味としてゲーム制作にハマっている。そしてゲーム制作をやるにあたって良い感じに作用しているな~と感じる “40h ゲームジャム” という独自のフレームワークがあるのでその内容を書いてみる。といっても別に大したことではなく “作業時間40時間以内にいったん完成させる” だけである。やばい、話が終わってしまった。以下はすべて補足です。
まず Unity 1週間ゲームジャム というものがあって、これは Unity 製に特化したフリーゲーム投稿サイト unityroom が開催しているオンラインのゲームジャムで、ゲームジャムっていうのはお絵描き60分一本勝負のゲーム制作版みたいなやつで、いや概念を概念で説明するなよ、フラットな説明をしようとすると書くことが多いな……ざっくりいうとインターネットに「みんなでヨーイドンで特定のお題でゲーム作って1週間後に見せあう催し」があって、詳しい説明は以下のリンク先に任せます。
で、最初はこれに参加したい気持ちがあったんだけど、都合が合わない点がいくつかあった。第一にゲームエンジンが限定されていること。自分も以前は Unity を用いてゲームを制作していたが、近年は Godot Engine に乗り換えていたので参加しづらい、というかたぶんできない。第二にお題と期間が限定されていること。それ言ったら元も子もないだろ。でも自分が惹かれたのは短期間でゲームを完成させるという試み自体そのもので、作りたいゲームのアイデアが無限に溜まってるのでお題なんかいらないし、1周間という長さはともかく年4回しかタイミングがないというのも好きなときにやらせろよって感じが拭えなかった。
それらの考えをふまえて生まれたのが “40h ゲームジャム” だった。ゲームエンジンは自由、お題も期間もなく、かろうじて残ったのは作業時間40時間以内に完成させるというルールだけ。もはや別物だが、1週間ゲームジャムがなければ生まれなかった縛りだ。40時間というのはなんとなく1週間っぽくした (8時間 x 5日間) だけでそこまで強い意味はない。締め切りではなく作業時間の制限を課しているのがミソで、労働から帰ると眠すぎて何もやる気が起きないことがままあるのだが、そんな日は寝てしまうという選択を取れっても何も問題ないところが素晴らしい。すると今度は毎日の通勤時間などで考える時間が多く取れすぎてしまう気がするが、まあ自分だけが参加している謎の祭りなのでいいでしょう。
そんなこんなで 40h ゲームジャムのルール下でいくつかゲームを制作したのだが、なかなか感触が良い。制限時間というゆるい縛りのおかげでゆるい緊張感が生まれる。40時間というのは長いようで短いようで長いようで短く、目下の作品をまとめあげるにはどういったリソース配分を行う必要があるかというディレクター的な視座が鍛えられる。数をこなすことになるので気軽に新しい要素にチャレンジできるし、逆にどんなジャンルのゲームを制作するときでも共通して使用するスキルの感覚もつかめる。
できあがった作品の例。左は Flappy Bird をベースにローグライク的な二択と Balatro 式のかけ算スコアを混ぜ合わせてみたもの。けっこうおもしろくなったけど、土台の味が強すぎる感もあり40時間経過時点でいったん打ち止め。ラフな状態であっても実体および実感があるものを寝かせておくのは純粋なアイデアを寝かせておくよりもずっと気分が良い。右は slither.io をベースに引っ張りアクションにしてみたもの。リアルタイム通信の勉強も兼ねており、最終的に40時間ではぜんぜん終わらなかったけど、それはそれで。
ただ、最近はできあがった作品の中から手応えを感じたものを本格的にブラッシュアップする作業に取り組んでいるため、しばらくジャムれていない。そしてその作業は非常~に難航している。開発期間が延びてスコープが増大して開発速度が低下する一般的な流れの渦中にある。短期開発はもういい感じにやれるようになったから、次は長期開発もいい感じにやれる何かを見つけられるといいんだけど。